AIプロジェクトを成功に導く方法 ―失敗例から学ぶ―
AI(人工知能)ブームが巻き起こりあらゆる業種の企業がAIの活用を検討するようになっています。AIは、次世代のビジネスの成長エンジンとして注目を集めています。だがその裏には多くの失敗が隠れています。うまく導入できない事例にも遭遇することがあります。この記事はAI導入をしていくのにあたっての失敗の原因・AI実装を成功に導くステップを解説していきます。 AI導入に失敗する代表的な6つ理由 1) 科学的なプロジェクト 素晴らしい技術より、ビジネスへどう影響を及ぼすかが大切です。AIプロジェクトを始めるのにあたって会社のゴール、売り上げに影響があるかと考えられないといけません。データ分析から始めても、影響を評価する事を考える必要があります。 2)共有不足 プロジェクト始まる時、プロジェクトメンバー全体が具体的な目的・目標・役割分担が必要です。理想の結果はどのようなものかといったことを、事前にきちんと考えておく必要があります。分析プロジェクトは大きければ大きいほど、皆の目標が見失いがちになります。そのため各自の役割、可視化・データ加工・分析フェーズ・データベース・実装・運用 実はそれなり以上に役割があります。 3)プロジェクトのポートフォリオを作成する AIプログラムを開始する際の次のステップは、ニーズと能力を体系的に評価し、次にプロジェクトの優先順位付けされたポートフォリオを開発することです。 4)新人のデータサイエンティストだった 実際のところ、AIは何が得意で、何ができないことを理解することが必要です。AI経験がないチームメンバーはこの判断能力が足らないですので、一つのよくある失敗のパターンになります。極端な話、モデルの精度がよくてもモデルだけ納品されても上手くいかないケースは往々にしてあります。 5)複雑なプロジェクトから始めパイロットモデルを作る 最初のAIプロジェクトが失敗すると、次のプロジェクトの立案することが結構難しくなります。リスクを減らすために、最初のプロジェクトは短い時間、分りやすいコールのプロジェクトはお勧めです。例えば可視化フェーズから始めしっかりデータ分析の価値を説明していく事が必要です。小さくパイロットで始め、大きくしていくがおすすめです。 6)技術のスコープ AIプロジェクトに運用する前に、技術の強みと制限を理解することが必要です。ルールベースのロボットは、自分の仕事の仕方が理解やすいですが、学習も改善が難しいです。一方、ディープ・ラーニングは大量のラベル付きデータから学習するのには適していますが、モデルの作成方法を理解することはほとんど不可能です。最近ハーバードビジネスレビュー(HBR)から「AIがあなたの会社のために3つのできること」を解決するための最新の調査をまとめたものが出ており、ここに代表的なものを紹介します。 引用元: Artificial Intelligence for the Real World https://hbr.org/2018/01/artificial-intelligence-for-the-real-world HBRがAIのプロジェクトをやったことがある250人に対して調査をしました。3/4の人はAIが3年以内に大幅に変革すると考えています。しかし、多くの企業で152/250≒約60%のプロジェクトが、ほとんどのプロジェクトが成功する可能性が低いと考えられています。 この記事では、利用されているAIを目的毎に分類し、3種類に考えています。 3 種類のAI 重要なのは技術ベースではなくビジネス機能に関してAIの種類を分けて考えています。 AIはビジネスプロセスの自動化 (Process Automation) データ分析による洞察力の獲得 (Cognitive Insight) 顧客や従業員との関わり支援 (Cognitive Engagement) 調査の結果から、152件のAIプロジェクトの内訳 1)Process Automation(プロセス自動化) 最も割合が大きいプロジェクトは、ロボットプロセス自動化(RPA)技術を使用して、デジタルおよびタスク(通常はバックオフィスの管理および財務活動)の自動化でした。RPAは最も安価で簡単に実装でき、通常は迅速かつ高い投資利益率をもたらします。 ただ、RPAには、定型事務作業を自動化するものです。機械学習等で高度な知的処理を自動化するものはデータサイエンティストが必要です。 難しい作業の例:● メールとコールセンターシステムから記録システムにデータを転送する。● 紛失したクレジットカードやATMカードを置き換える、複数のシステムにアクセスしてレコードを更新し、顧客とのコミュニケーションを処理する● 自然言語処理を使用して、法的文書および契約文書を抽出する 2)Cognitive Insight(認知洞察) 調査の2番目のプロジェクト(37%)は、膨大な量のデータのパターンを検出し、その意味を解釈するアルゴリズムを使用しています。 例えばキャンペーン施策を考えていく際に、〇〇地方、男性、年齢は××の人は申込が多いというような知見を得る際に行います。これらの機械学習の利用は、次の目的に使用されています。● 特定の顧客が購入する可能性が高いものを予測する。● リアルタイムで信用詐欺を特定し、保険金詐欺を検出する。● 自動車やその他の製造された製品の安全性や品質の問題を特定するために保証データを分析する。● デジタル広告のパーソナライズされたターゲティングを自動化する。 3)Cognitive engagement(認知エンゲージメント) 最初のAIプロジェクトが失敗すると、次のプロジェクトの立案することが結構難しくなります。リスクを減らすために、最初のプロジェクトは短い時間、分りやすいコールのプロジェクトはお勧めです。例えば可視化フェーズから始めしっかりデータ分析の価値を説明していく事が必要です。小さくパイロットで始め、大きくしていくがおすすめです。 自然言語処理のチャットボット、インテリジェントエージェント、機械学習を使用して従業員や顧客を関与させるプロジェクトは全体の16%を占めています。下記のような目的に使用されています。 自然言語でのパスワード要求からテクニカルサポートへの問題まで幅広く拡大している問題に対処する24時間年中無休のカスタマーサービスを提供するインテリジェントエージェント。 IT、従業員給付、人事方針などのトピックに関する社員の質問に答えるための内部サイト。 小売業者のパーソナライズ、エンゲージメント、セールスを向上させる製品とサービスの推奨システム …