2019年はデータサイエンス関連のブームの余波は続きます。機械学習、深層学習、AIなどの言葉は流行語になって、企業規模の大小を問わず、自社の生産性向上やサービス向上にAIを生かす試みを進めており、競争力を保つにはもはやAIの導入が不可欠になります。今回の記事は2019年のデータサイエンスで流行りやそうな話をまとめています。
IoTとAIを活かす製品・サービスが広がる
IoTが広がることによって、あらゆるモノがインターネットにつながり、モノと情報をやり取りすることができるようになります。IoTからデータを集め、蓄積して、AI(人工知能:Artificial Intelligence)が活躍します。AIが分析することで、企業は新しい価値を創出し、より良いサービスや商品を提供できるようになるのです。新しいサービスを創り出すこともできるかもしれません。また、既存の商品をIoT化する道もあるでしょう。商品から収集されたデータを、AIが分析することで、商品に付加価値が生まれる可能性もあります。
AIのブラックボックスの解明
ディープラーニングは画像解析などの用途に用いられているが、ブラックボックスが多少あっても実用化に差し支えはないだろう。実はディープラーニングに否定的な人は少なくないんです。理由はブラックボックスの問題があるから。そんななか、ディープランニングの新しい可能性を拓く「説明可能な人工知能XAI(Explainable Artificial Intelligence)」を開発しています。Maximum activation analysis / Lime / Shapなどはブラックボックスの解明する技術の例です。
「説明可能な人工知能」は、どのような特徴を持って猫と判断したのか、その理由まで説明することができる次世代AIを指します。説明可能な人工知能の必要性はより広範でしょう。
自動機械学習 自動深層学習
AIプロジェクトを推進してくには、データ、データサイエンティスト、機械学習エンジニア、業務プロセスに精通する人材と、必要な要素はいくらでもでてきて、さらにコストと時間という問題も重なってきます。機械学習と深層学習は大量のハイパーパラメータ設定と計算資源を要します。計算時間も馬鹿にならなく、どのハイパーパラメータが良いのかを、学習を幾度と無く繰り返して決める必要があります。
機械学習の専門家でなくても高品質な画像分類モデルを生成できるというものですが、その背景にある理論がNeural Architecture Searchです。Neural Architecture Search(略称:NAS)が従来のニューラルネットワーク設計と違うのは、NASはニューラルネットワークのアーキテクチャ自体を最適化するということです。ネットワークの重みを最適化しますが、NASではニューラルネットワークの構造自体やパラメータを最適化したうえで、重みを最適化します。
AIを民主化する
データとAI(人工知能)を使いこなす企業が競争上の優位を獲得します。データ量が膨大になると、データの背後にある構造やパターンなどのインサイトを人間が理解できない。そこで、よりデータを理解できるように機械学習や深層学習のようなアルゴリズムが進化しました。
Google、Microsoft、IBMなどのIT大企業のみならず、ベンチャー企業とスタートアップは新たなクラウドでのデータサイエンス支援サービスを提供しています。計算能力(コンピュート)の民主化、(2)アルゴリズムの民主化、(3)データの民主化、(4)才能(タレント)の民主化という四つの民主化を進めていきます。そのためにはAIの民主化、AIを誰でも使えるようになります。